海洋散骨で後悔しないために　よくある失敗と対処方法

近年、海洋散骨の依頼が増えてきています。海洋散骨とは、火葬された遺骨を墓や納骨堂などに納めず、海に撒いて供養する方法です。もともと故人の希望だったりお墓の維持や管理が厳しい方が散骨を選ぶことが多く、近年では少子化や核家族化の影響もあり、散骨の件数が増えてきており、散骨への関心も高まっています。

一方で日本はご遺骨を墓に納めて節目ごとに墓参りをするという葬祭文化が根付いており、散骨は墓という供養の場所が残らないため、親族などとトラブルに発展する可能性があり、「散骨が正しい選択だったのか」と後悔を覚えるケースもあります。そこでこの記事では、散骨で後悔する理由と、後悔しないためにできることを解説します。

海洋散骨で後悔する主な６つの理由

海洋散骨は海に遺骨を撒くため、故人の遺骨が残らなくなります。そのため、散骨後に後悔するケースもいくつか見られます。散骨で後悔する主な理由は以下の６つです。

①お参りする場所がなくなった

②親族の間で意見が分かれた

③トラブルが起きてしまった

④業者のサービス内容が期待していたものと違った

⑤散骨場所が希望していた環境ではなかった

⑥海洋散骨で船酔いしてしまって悪い思い出となった

海洋散骨で抱いた後悔は、自分と故人だけにとどまらず、故人にゆかりのあった親族や友人など多くの人間関係に影響を与えてしまいます。それぞれの後悔の原因を詳しく解説します。

①お参りする場所がなくなった

お参りする場所がなくなったのも、散骨で後悔する理由としてよく挙げられます。

海洋散骨の場合、海に遺骨を撒くため、お墓のように「形のあるもの」が残らないので時間が経つにつれて、故人に思いをはせる対象がないため、故人を偲びにくくなるという声が寄せられることがあります。

こうしたことを避けるためには、全ての遺骨をを海に撒くのではなく、一部をお墓に入れたり、ペンダントや置物などの手元供養品に入れて自宅に置いておくことをおすすめします。

こうするとお墓にお参りすることも日々の暮らしで手を合わせることもできるので、故人に思いを寄せることもできるでしょう。

親族の間で意見が分かれた

散骨で後悔する理由としてよく挙げられるのは、散骨の前後で親族の意見が分かれることです。特に高齢の親族は、墓を重視していて故人は墓に入るものだという固定観念を抱いている方も多いです。

「遺骨を海や山に撒くなど縁起が悪い」「法律違反なのではないか」など、散骨に対してネガティブなイメージを持っているケースも少なくありません。生前の故人の意思で散骨を行っても、生前に直接話すか遺言などで散骨の意向を明記しておかないとトラブルに発展する可能性があります。

トラブルが起きてしまった

海洋散骨で発生したトラブルが原因で後悔してしまうケースもあります。トラブルの内容は主に２つで「条例・法律を理解してない」「マナー違反」です

墓地や霊園にあるお墓へ納骨する場合と異なり、海洋散骨は海という漁業や観光などとも関りが深い場所で執り行うので十分な注意が必要です。

条例・法律を理解していない

日本の法律では海洋散骨自体を直接禁止していません、しかし散骨を行う場所や方法によっては、地域の条例や法律に触れる可能性があります。

例えば海洋散骨をする場合、骨を2mm以下に粉骨しなければ法律違反になる可能性があります。また、海水浴場や漁場など、人の生活圏や経済活動を行っている場所を避けなければなりません。

マナー違反をしていた

マナー違反も、海洋散骨でのトラブルとしてよく挙げられます。

海洋散骨は故人を偲ぶ儀式の1つですが、葬儀場などではなく海という公共の場で執り行います。観光客や漁業者を驚かせたり不快にさせたりしないため、喪服ではなく普段着に近い平服で行うのがマナーとされています。

業者のサービス内容が期待していたものと違った

海洋散骨で後悔する理由として、「業者のサービス内容が期待していたものと違った」という場合もあります。

散骨業者のサービス内容はさまざまで、希望する場所で散骨できなかったり、宗教的な要望を聞いてもらえなかったという理由で後悔するケースがあります。

事前に散骨業者のHPをチェックし、口コミなどから下調べをし契約前から問い合わせをしましょう。散骨を申し込む際にはサービス内容をしっかり確認し、散骨場所や故人から託された思いなどを率直に伝えるようにしましょう。

海洋散骨場所が希望していた環境でなかった

「散骨場所が希望すしていた環境ではなかった」のも、散骨を後悔する理由として挙げられます。

多くの散骨業者は、特定の場所で散骨を行うサービスを提供しています。海洋散骨を行う海況や法律・条例や安全上の理由など、さまざまな事情で場所が決められます。

海洋散骨を行う場所を指定したい場合は、その旨を業者に伝え、柔軟に対応してくれるところを選ぶことが重要です。故人が生前から散骨場所として指定していた場所や生前に好きだった場所、家族の思い出の場所など、希望はなるべく明確に伝えるようにしましょう。

海洋散骨で船酔いしてしまって悪い思い出となった

海洋散骨で船酔いするケースは多々あります。普段船に乗り慣れていない場合は特に船酔いが多くなります。また海洋散骨では散骨時は停船しますので余計に波やうねりの影響を受け、船が揺れて酔いやすくなります。

揺れやすい海域で海洋散骨をする場合、率直に業者に話して揺れの有無を確認しましょう。自信がなければ乗船散骨ではなく船には乗らずに代行散骨に切り替える選択肢もあります。

北海道小樽クイック海洋散骨では代行散骨でライブ配信サービスをご提供していますので船酔いなしに散骨に立ち会うことができます。

散骨で後悔しないためにできること5つ

海洋散骨で後悔する理由はさまざまです。しかし故人の意思であれば、遺族としてはできるだけ故人の遺志を叶えて散骨をしてあげたいと考えるのは当然です。

故人の遺志をかなえて海洋散骨で後悔しないためのポイントです。

親族と十分にコミュニケーションをとる
条例やマナーを理解する
信頼できる業者に依頼する
全てを散骨せず手元供養も活用する
代行散骨を利用する

親族と十分にコミュニケーションをとる

散骨で後悔しないために最も重要なポイントは、親族とコミュニケーションを十分にとることです。

「海洋散骨にしてほしい」という本人の意思があっても、散骨を行う前に家族や親族と散骨の意思について話し合いましょう。できれば生前から家族に自分の意思を明確に伝えておくことが重要です。

希望する散骨場所や方法も具体的に話し合い、親族との間で合意しておく必要があります。そのためにも、なるべく生前に「散骨をするかどうか」と「散骨をするならどの場所が良いか」を聞いておくのが理想です。

条例やマナーを理解する

条例やマナーを理解するのも、散骨で後悔しないためにできることです。

本人の意思などで散骨を希望する場所がある程度明確になっている場合は、散骨を行う自治体の条例や法律を事前に確認し、散骨が可能な場所かどうかを把握します。

海洋散骨のマナーとして、海水浴場や漁場、航路などの近くでは散骨しないことがあります。

また海洋散骨を見かけた人々が驚いたり不快になったりしないよう、喪服ではなく普段着で散骨に行うことも大切です。

信頼できる業者に依頼する

海洋散骨で後悔しないためには、信頼できる業者に依頼することが重要です。

海洋散骨に係る条例やマナーに精通していなければ業者を利用するのがおすすめです。

しかし業者選びが原因でトラブルに発展する可能性もあるため、口コミなどを参考にして、申し込みをするまでに疑問点は問い合わせて納得のいく対応をとった業者を選ぶのが重要です。

全てを散骨せず手元供養も活用する

散骨で後悔しないためには、全てを散骨にせず、一部を手元に残しておくのもおすすめです。

全ての遺骨を散骨してしまうと手元になにも残らなくなり、後になってから寂しさを感じるケースもよく見られるようです。

ご遺骨を入れるペンダントやジュエリー、小さな骨壺などの手元供養品や、遺骨の一部をお墓へ納骨するなど、後になって寂しさを感じたときにも故人を偲べるようにしておきましょう。

代行散骨を利用する

乗船散骨の場合、少なからず船酔いに苦しむ方がいます。

フェリーなどの客船と違い散骨を行う船はスタビライザーなどの揺れを防ぐ装置がついていないことがほとんどです。また散骨中は海上に浮かんだ状態で止まるので、波やうねりで船は大きく揺れます。

少しでも乗り物に弱い人は船酔いを覚悟しなければなりません。

乗船して船酔いした場合、せっかく故人を海に還す散骨が船酔いに苦しんだ嫌な思い出となってしまいます。

こうした事態を避けるには乗船しないでスタッフに散骨を託す代行散骨がおススメです。

北海道小樽クイック海洋散骨ではライブ配信を行う代行散骨で自宅にいながら故人の散骨に立ち会うことができます。